米こうじの種類に生麹や乾燥麹があるって知ってた?違いをまとめてみた。

米こうじの種類に生麹や乾燥麹があるって知ってた?違いをまとめてみた。 和素材

こんにちは、きらのすけ(@kiranosuke_3_)です。


発酵食品は体に良いとされています。

疲労感やむくみを改善してくれたり、豊富に含まれるビタミンB群やアミノ酸などによるお肌の調子の改善や腸内環境を整えてくれる作用などの効果が期待できるんです(^_^)

最近ではコンビニやスーパーなどでも「米麹を使った糀甘酒」をよく見かけますし、「砂糖を使わない発酵あんこ」などのスイーツレシピも同じくらいよく見かけます。


飲む点滴などと言われる糀甘酒。

砂糖ゼロで健康志向の発酵あんこ。

そしてこれらを作るためには「米麹」という材料が必須になってきます。


そんな米麹には「生麹」と「乾燥麹」と呼ばれる2種類があり、またそれぞれに違いがあることをご存知でしょうか?


ここでは「乾燥麹と生麹の違い」についてまとめておこうと思いますので、よければ参考にしてみてください。

【この記事で解決できるお悩み】

・生麹と乾燥麹の違いはなに?
・生麹と乾燥麹の使い方に違いはある?
・生麹と乾燥麹のメリット、デメリットについて。



この記事を書いている僕はパティシエとして15年以上お菓子作りにたずさわり、数々のお菓子を作ってきました。また100冊以上のレシピ本を読んできたのでお役に立てると思います(^_^)


読み終わって、

・生麹と乾燥麹の違いがわかった!
・生麹と乾燥麹の使い方の違いもよくわかった!
・メリットとデメリットを考慮して自分に合った米糀を選べた!

と、生麹と乾燥麹のそれぞれの違いを知ってもらい上手に使い分けたりして発酵食品作りを楽しんでもらえると僕も嬉しいです(^_^)


この2つの米麹の使い方の違いがわかれば失敗することも少なくなると思いますので、参考になれば幸いです。

「米麹には2種類ある!」生麹と乾燥麹の違いは?


麹甘酒や発酵あんこ、塩麹などに使う米麹には生麹と乾燥麹という2種類のものがあります。

まずこの2つの米麹についてですが、「全くの別物」ではありません。


それは、もともとは同じ「米麹」だからです。

とはいえ名前も違うし、形状も少し違うしとなると、『違いはなんなんだろう?』と疑問に思ってしまいますよね(^_^;)

生麹と乾燥麹の大きな違いは次のようなものがあります。

【生麹と乾燥麹の違い】

①水分量と状態の違い。
②形状の違い。
③風味の違い。
④発酵力の違い。
⑤保存方法や保存期間の違い。
⑥使い方やレシピの違い。



元々が同じ米麹ですが、状態が違うことで保存や使い方も若干変わってくるところ。

生か乾燥かの違いによって変わってくる取り扱い方や、メリット・デメリットについてもう少し細かくまとめたいと思います。

・生麹と乾燥麹の違い~①水分量と状態の違い~


まず、生麹と乾燥麹の1番の違いは「持っている水分量」です。


それぞれに含まれる水分量の目安は、一班的には次の通りになります。

【生麹と乾燥麹の水分量】

・生麹の水分量は25~30%程度。
・乾燥麹は10%以下。



生麹とは、出来上がった米麹をそのまま袋に詰めたフレッシュな状態の米麹です。

乾燥麹とは、保存が効くように生麹の水分を飛ばして乾燥させた状態のものです。


生麹のメリットは、そのまますぐに使うことができるところ。

麹菌も活きているので、でんぷん質を甘味に変える力を強く持っています。

逆にデメリットとしては、生麹は水分量が多いので雑菌に対して弱いところ。

また水分が多く酵素も活動できるので、保存していても徐々に発酵が進んでしまいます。(これを自己発酵という)


それに比べて乾燥麹は水分量が少ないため、雑菌の繁殖を抑えることもでき、なおかつ発酵が進んでしまうこともありません。

乾燥していることで保存性も高く、スーパーなどでも手に入りやすいです。

きらのすけ
きらのすけ

保存できるって最大のメリットだよね!
僕もいつも買うのはいつも乾燥タイプの麹を買ってるよ。


水分量が違うことで日持ちのしやすさもかなり変わってくるので、使いやすさや使い方によってどちらか選べるのは嬉しいところですね(^_^)

・生麹と乾燥麹の違い~②形状の違い~


生麹は炊いた白米のようなしっとりとぽろぽろした感じで、乾燥麹はパラパラとした状態です。

板状にかたまっているタイプのものもありますが、これも簡単に手でパラパラとほぐすことができます。


あくまで僕個人的な意見にはなりますが、正直パラパラで乾燥している乾燥麹が好みです。

好きなときに好きな分だけ使えるし、本当に使いやすいと感じています(^_^)



強いて言えば、乾燥麹の場合は発酵時間が長くなってしまうというところがデメリットです。


例えば発酵あんこです。

通常生麹だと発酵時間が8時間に対して、乾燥麹なら10時間程度は必要だと思っています。なぜなら水分を失っている米麹がふっくらと生麹のように麹菌が活発に働く状態にまで戻る時間がかかってくるからです。

これは仕上がりまでにかかる時間、なかなか長いですよね(^_^;)


炊飯器等を利用して作る場合で『発酵時間を少しでも短くしたい』となれば生麹の方が良いかもです。

・生麹と乾燥麹の違い~③風味の違い~


生麹はお米に麹菌を振りかけて発酵させたものを保存している、いわば出来立ての生の状態です。

一般的にはそんな生麹の方が香り、風味が良いとされています。


肉や魚で例えると分かりやすいと思いますが、やはり「鮮度」というものは風味や味わいにとても関わりの深いものです。

きらのすけ
きらのすけ

確かに出来立ての時間が経ってない方が風味良さそうだもんね。



逆に乾燥麹は、生麹を日持ちのするように乾燥させたもの。

なので時間として見たときには生麹と比べると、『どうしても時間が経過している分、風味も若干劣ってしまうのかな?』と思います。


ですが乾燥していることで特別風味が悪いというわけではなく、「出来立ての生麹の方が鮮度がより良く、より風味も豊かで良いよね!」と思うこともあるかなという程度のことです。

乾燥麹も、水分をしっかりと含んで戻ると生麹と同等の風味と作用を持っていると言われています。

もし特別風味を大事にしたい場合には生麹を。
使いやすさ重視であれば乾燥麹を。

など上手に使い分けられると良いかと思います(^_^)

きらのすけ
きらのすけ

吹き出し
ここぞ!というときにはこだわりの生麹が良いかもね(^_^)



と言ってもどちらで作っても同じくらい美味しいので優劣はつけがたいです。

ひとつ言えることがあるとすれば、生麹は冷蔵保存が必要な生ものだし、フレッシュの良さを活かすためにも麹自身の発酵が進まないうちに早めに使うことが良いのかなと思います。

・生麹と乾燥麹の違い~④発酵力の違い~


生麹と乾燥麹では発酵力が違うと言われることが多いです。

生麹は作られた米麹をそのまま保存しているため、 “麹菌が活きていてすぐにでんぷん質に働きかけてくれる” ので発酵力が強いと感じるのではないかなと僕は思います。


反対に乾燥麹発は酵力が弱いと言われる理由は、「乾燥させ眠らせている麹菌が復活するまでの時間(およそ1~2時間)を発酵に追加する必要がある」ことにあるのではないでしょうか。


僕は、乾燥麹が特別に発酵力が弱いわけではないと思っています。

そもそも持っている発酵力は同じくらいの力を持っているけど、「失活させている麹菌を起こすための時間が必要」なので、完成までの時間が長くなってしまうことが結果的に発酵力が弱いと言われる(感じてしまう)理由なのではないかなと思っています(^_^;)

きらのすけ
きらのすけ

目に見えないだけに難しいところだと思う。



基本的には同じ米麹で、日持ちや管理方法が違うだけ。

味噌屋さんや醤油専門店さんには怒られちゃうかもしれませんが、僕の体感的には発酵力はあまり変わらないと思うので使いやすい方を選ぶのが楽で良いと思います。


生麹でも乾燥麹、どっちでもちゃんと発酵してくれて美味しいです。

家で作る炊飯器や鍋で作る麹甘酒や発酵あんこなら、そこまで気にする必要は無いんじゃないかなと思います(^_^)

・生麹と乾燥麹の違い~⑤保存方法や保存期間の違い~


水分量の違いから、保存方法や保存期間も変わってきます。

生麹の保存方法は冷蔵庫で1~2週間。冷凍庫で最大3ヶ月ほどです。

乾燥麹は高温多湿を避けた常温だと半年から1年間日持ちがします


生麹は文字通り麹菌の持つ酵素がそのまま生きているので、お米や小豆などに含まれるでんぷん質を糖化させる力(専門用語で「力価」と呼びます)がしっかりあります。

そして酵素が生きているので、自然に発酵(自己発酵)し続けてしまいます。

その自己発酵が進み過ぎてしまって、発酵に必要なエネルギー不足になり発酵力が弱まってしまうことがデメリットになってしまうことも。


逆に乾燥麹は余計な水分を飛ばしてあるので酵素が眠っている状態です。

これは水分を含ませて戻してあげることで生麹と同じように使うことができます。

きらのすけ
きらのすけ

賞味期限や日持ちを考えると、個人的には乾燥麹がおすすめだよ。

使う分だけ使えるし面倒くさくないから。


・生麹と乾燥麹の違い~⑥使い方やレシピの違い~


生麹と乾燥麹はそれ自体が持っている水分量が違うので、甘酒や発酵あんこなどを作るときにどっちの麹を使うのかによって発酵させるための水分量が違ってきます。

生麹と乾燥麹の水分量の差が大体15~20%ほど差があるので、この差分の水分をレシピに追加する必要があるからです。

きらのすけ
きらのすけ

乾燥しているだけなので、水分を足してあげればそれで全然OK!



乾燥麹を生麹のように先に戻してから使うこともできますし、生麹を乾燥麹に置き換えた分、レシピに水分を増やして作ることもできます。

どちらにしても生麹を使っているレシピを単に乾燥麹に置き換えただけでは、麹自体の持っている水分量の違いで乾燥麹の芯が残ってしまったりすることがあるので注意が必要です。

「乾燥麹を生麹のような状態への戻し方」や「生麹から乾燥麹のレシピ換算の方程式」について、より詳しく知りたい方はこちらも合わせて読んでみてください。



糀甘酒や米糀を使って作る発酵あんこはとても時間がかかるもの。

時間をかけて失敗するとかなり辛いので、そこはしっかりと確認することをおすすめします。

きらのすけ
きらのすけ

僕も半日発酵させて失敗…。っていう経験があるから、麹の状態はしっかり確認した方が良さそう。


・まとめ


今回は、
【違いまとめ】米こうじの種類に生麹や乾燥麹があるって知ってた?

についてまとめました。

【生麹と乾燥麹の違い】

①水分量と状態の違い。
②形状の違い。
③風味の違い。
④発酵力の違い。
⑤保存方法や保存期間の違い。
⑥使い方やレシピの違い。



米麹には、生麹と乾燥麹の2種類があります。


使いやすかったり、日持ちがするなど、どちらもに良さがあります(^_^)

あなたの使い方に合った方を選んで、楽しく美味しいものが作れるように参考になれることができれば幸いです。

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