こんにちは、きらのすけ(@kiranosuke_3_)です。
フィナンシェとかの焼き菓子に使われる「焦がしバター」っておいしいですよね(^_^)
バターだけでも美味しいのに、さらに焦がして香ばしくなったら余計に美味しいにきまってます。
フィナンシェなどの焼き菓子は、もちろん普通の溶かしバターで作ることもできます。
ですが焦がしバターを使った方がお菓子に香ばしさがプラスされるので、溶かしバターで作ったものとは深みやコクが全然違う仕上がりになるんです。
でも『そんなに効果絶大な焦がしバターならどうせ作るの難しいんでしょ?』と思ってしまいますよね?
ところが実はめちゃくちゃ簡単にきるんです(^_^)
ここでは「焦がしバターの作り方」について解説します。
この記事を書いている僕はパティシエとして10年以上お菓子作りにたずさわり、数々のお菓子を作ってきました。また100冊以上のレシピ本を読んできたのでお役に立てると思います(^_^)
読み終わって、
・焦がしバターの作り方がわかった!
・焦がし具合も色でみてわかるようになった!
・焦がしバターの美味しさに感動した!
と、より美味しい手作りスイーツを味わってもらえると僕も嬉しいです(^_^)
焦がしバターは、「シンプルにバターを焦がすだけ」なんですが、その焦がし具合によって仕上がりの表情がガラリと変わってしまいます。
それほど出来上がるお菓子に与える影響も大きい重要な役割を担っているといっても過言ではないほどです。
細かいことを言い出せばきりがないですが、ただ焦がせばよくて、それでお菓子や料理が美味しくなるのなら覚えておいて損はないのかなと思います(^_^)
・【材料は1つだけ】焦がしバターのレシピと作り方。
「◯◯の香ばしさ」とか「焦がし◯◯」とかってそれだけで魅力的ですよね(^_^)
それはバターもしかり。
焦がさないバター(溶かしバター)も美味しいですが、一手間加えて作る焦がしバターもまた違った美味しさがあります。
焦がしバターの作り方は思っているほど難しくないのでぜひ挑戦してみてください。
・焦がしバターのレシピ。
レシピといっても鍋とバターがあれば出来てしまうほど簡単なものです(^_^)
バターは無塩バターでも有塩バターでも作ることができますが、お菓子作りで使う場合には無塩バターを使うことが多いので、ここでは無塩バターで説明していきます。
塩は後から足すことができるからね。
・焦がしバターの作り方と手順。
焦がしバターの作り方は実はシンプル!
だって焦がすだけだから!
ざっくりした手順は次の通りです。
【焦がしバターの作り方】
バターを鍋に入れ、火にかけて溶かす。
↓
泡立て器で混ぜながら弱火~中火で温めていく。
↓
泡が立ってきて、茶色く焦げてきたら火からおろす。
↓
ボウルなどに入れた水に鍋底をあてて冷ます。
↓
完成!
お疲れ様!
まずは溶かしバターを作ってそこから更に火にかけて焦がしていきますが、はじめは「ボコボコ」と大きな泡がたって水分が蒸発していきます。
そして水分が無くなると、ここからは「シュワシュワ」とキメの細かい小さな泡に変わってきます。
ここから少しずつ茶色く焦げていくので、色をみて判断していきましょう。
求める焦がし具合に近づいてきたら少し早めに火から外して余熱で焦がしていくと、焦がし過ぎにくいのでオススメです(^_^)
火にかけながらだと焦げていくスピードが早いから、余熱の方が余裕もって作れるよ!
・焦がしバターを作る時のポイント。
ここで、焦がしバターを作るにあたっていくつかのポイントがあります。
ポイントは大きく次の4つです。
混ぜながら加熱することによって、乳固形分が沈みきった状態にならないので均等に焦がすことが出来ます。
この時ゴムベラよりも泡立て器の方がより細かく撹拌してくれるので、焦げの粒も小さくなりよりきれいに仕上がりますね。
また焦げすぎてしまわないように、先に鍋底を冷ますための水をボウルに入れておいたり、濡らしたふきんを用意しておくなどの準備もしておくと安全です(^_^)
鍋底を水につけるときは「ジューッ!」ていうくらい熱いから気を付けて!焦らずね!
焦がすだけといばえ焦がすだけなんですが、僕も一応パティシエなので、もうちょっとだけ詳しく解説してみたいと思います。
・焦がしバターとは?
『そもそも焦がしバターってなに?』『焦げたバターって失敗じゃない?』などと思うかたもいると思うので簡単に説明すると、焦がしバターとはその名の通り「バターを焦がして香ばしさやコクを出す技法」になります。
お菓子作りでも使うし、料理にも使ったりするよ。
日本語では焦がしバターですが、フィナンシェなどのフランス菓子のレシピではブールノワゼットと呼びます。
【焦がしバターの呼び方】
【仏語】beurre noisette(ブール ノワゼット)
beurre(ブール)が英語でバターのことで、noisette(ノワゼット)が英語でヘーゼルナッツという意味。
要するに、ブールノワゼットとは「ヘーゼルナッツのように茶色になるまで焦がしたバター」という意味です。
その他にも「ヘーゼルナッツのような香りが立ってくるまで焦がす」などと言い表されることもあります。
※ノワゼット(ヘーゼルナッツ)は和名で「はしばみ」と呼びます。「はしばみ色まで焦がしてね!」なんて伝えることもパティシエ達の現場ではまれにあったりします。
一言で焦がすといっても焦がし具合は人それぞれだし、「どこまで焦がすのか?」を決めることは難しいところです。
なのである程度の知識としては抑えておいて、好きなところまで焦がせばいいんじゃないかなと思います(^_^)
・焦がしバターの目安の温度や色。
溶けたバターを火にかけ続けると、100℃以上になってからまず水分が飛びます。
水分が飛びきってから、はじめて乳固形分が焦げていきますが、上に浮いている油で沈んだ乳成分を泡立て器でかき混ぜながら揚げ焦がしていくようなイメージです。
一般的には120℃前後で焦げ始めると言われています。
そして130℃で茶色っぽくなって、いわゆるこれが焦がしバターと言われるものです。
焦がしバターの目安温度は一般的には130℃くらいかな。
これ以上の温度や色にすると、「香ばしさを越えてエグみが出てしまうのでこれ以上は焦がしてはいけない。」といわれることもあります。
ですが逆に、「これ以上もっと焦がしたほうが美味しくなるから焦がしましょう!」というシェフも世の中にはいます。
こんな感じに、人によって焦がし具合の物差しが違うから、焦がしバターは難しいってなっちゃうし悩んでしまうのではないでしょうか。
正直僕もかなり焦がすから、こういう一般的な考えは当てはまらないと思う。
油自体の色で言い表す人もいれば、沈んでいる乳成分が焦げた色で判断する人。泡の色で見る人もいるので、温度や色について「これ!」っていうのを決めるのは少し難しいところかなと思います(^_^;)
・焦がしバターを使うレシピは焦がしバターじゃないとだめなの?
焦がしバターを使って作る代表的なお菓子フィナンシェで例えると、別に焦がしバターじゃなくても別に作ることはできます。
ただそうすると、仕上がりの香りや味わいは全く別物です。
フィナンシェの場合、卵の卵白しか使わないお菓子なのでコクや深みか物足りなく感じてしまう方が多くなるのではないかなと思います。
特にフィナンシェは焦がしバターという要素が美味しく作るうえで結構重要な部分なので、そこはぜひ焦がしバターを使って作ってみてもらいたいですね(^_^)
・「どこまで焦がすのが正解?」ベストな焦がし具合とは。
焦がし具合とかって作る人のさじ加減で結構変わってしまいますが、そこは少しの目安と自分の感覚を信じましょう(^_^)
ベストな焦がし具合については、正直「これが正解!」というものがありません。
というのも、作る人によって浅めに焦がす人もいれば、真っ黒になるまで焦がした方が美味しいという人もいるからです。
色んなレシピを見てきたけど、ほんと人それぞれ…。
ちなみに僕は、黒ビールくらいに真っ黒になった焦がしバターが好きだね。
あくまで基準はヘーゼルナッツ色なので、まずはその焦がし具合を目指して作ってみてください(^_^)
焦がし具合によって仕上がりに差は出てしまいますが、何度か作ってみるうちにそこで「あなたの好みの焦がし具合」も分かってくるはずです。
浅めに焦がせば、フィナンシェなどの生地も茶色く仕上がりますし、キャラメルのような甘さと香ばしさのある優しい仕上がりに。
逆に焦がせば焦がすほどバターも生地も黒っぽくなるし、それに比例してビターな香ばしさもアップします。
そしてこればかりは「何度で何分」とはかれるものではないので、焦げ具合(色味)での判断になるので多少のブレはでてきてしまいます。
自分の目でみての判断で大丈夫ですし、あなたの好きなところまで焦がすのがある意味正解です。
ポイントをおさえつつ、火事にならない程度に自分を信じて焦がせばOK!
・焦がしバターの黒い粒々を「裏漉す」か「裏漉さない」か問題について。
焦がしバターを作って、「最後に裏ごしして黒い粒を取り除くやり方」や「裏漉しせずに焦げた部分も入れるやり方」の2通りあります。
フィナンシェなどの生地に焦がしバターを裏漉さずに入れると「黒い粒々が入って苦い」、「いやいや、焦がしたところが美味しいんだから入れないとダメでしょ」などこれまた意見は様々です。
ちなみに僕はフィナンシェに関しては、裏ごさず焦げも全て生地に入れるタイプです。
この「焦げたところは苦くなるから裏ごしてから使いましょう」という考え方もありますが、僕は焦げる部分(バターが溶けたら下に溜まる牛乳のような液体)はバターの旨味成分なのでしっかり入れてあげる方がいいんじゃないかなと考えているからです。
この焦がしバター最大の特徴の焦げですが、バターの美味しいところ(旨味)が焦げに詰まっています。
この溶かしバターの下に沈んでいる白い牛乳みたいな成分は、上に浮いた油分以外の水分やタンパク質や乳糖などの「乳固形分」。
この「乳固形分」がバターの味や乳製品の味を作ってくれる旨味成分と言われています。
逆に上に浮いている部分は油分(乳脂肪)だけです。
この黄色くて透明な油分だけを取り出したものは「澄ましバター」と呼ばれます。
澄ましバターは「乳固形分」が入っていないので、しっかり火にかけても焦げることはありません。
なので澄ましバターは焦がしたくない料理や、腐りにくいよう水分値を減らしたい場合なんかによく使われます。
お菓子で言うとシュトーレン!仕上げに塗る澄ましバターは、長く日持ちさせたいために澄ましバターにしているんだよ!
そんな沈殿物と上の油の関係ですが、この「乳固形分」があってはじめてできる焦がしバターということになりますね。
どうしても見た目を綺麗にしたい場合なんかは裏漉したりしても良いかもしれませんね(^_^)
・マーガリンじゃ焦がしバターは無理?
マーガリンなどの植物性油脂には乳成分があまり含まれていないので焦がしバターを作ることは難しいです。
一般的には、マーガリンは水分が多く含まれているとのことです。
溶かしはじめはバターと同じく水分がじゅわじゅわと蒸発していくんですが、乳固形分が入っていないので焦げるものがありません。
なので溶ければ普通にサラダ油っぽいだけ。
焦がしバターを使ったお菓子を作るなら、ちゃんとバターを使うことをオススメします(^_^)
余談ですが「焦がしバター風味のマーガリン」なんてものもあるみたいです。
聞いた感じめっちゃ美味しそう!
今の世の中探せばなんでもあるねぇ(^_^)
僕もまだ使ったことはないんですが、機会があれば使ってみたいです。
これなら日々のトーストだってより美味しくなりそうだし。
マーガリンはトランス脂肪酸が多く含まれているとか、食べるプラスチックだ何て言われることもありますが、1度にそんなに大量に食べるものでもないし、ファーストフードやカップラーメン、コンビニの添加物の含まれた食品を食べるならそれと同等の事なんじゃないですかね(^_^;)
「完全に無添加」を目指す人や「オール自然派で自炊をする方」などの超健康志向な方にはおすすめできませんが、別にそこまで完璧を求めていない僕みたいな人にはマーガリンはバターと比べ価格も安いしとても便利だと思うのでおすすめですね。
ちなみに僕はコンビニにはほぼ行かないし、食べ物も買わないし食べない。
けど普通にマーガリンとかは気にせず食べるタイプ。
日々の生活を見ながら、健康面や価格面をみながら上手にコントロールできるのが1番いいのかなと思います(^_^)
・まとめ
今回は、
【好きな焦がし具合でいいんちゃう?】香ばしい焦がしバターの作り方。
についてまとめました。
【焦がしバターの作り方】
バターを鍋に入れ、火にかけて溶かす。
↓
泡立て器で混ぜながら弱火~中火で温めていく。
↓
泡が立ってきて、茶色く焦げてきたら火からおろす。
↓
ボウルなどに入れた水に鍋底をあてて冷ます。
↓
完成!
【焦がしバターの呼び方】
【仏語】beurre noisette(ブール ノワゼット)
『焦がしバター風味とかめっちゃ美味しそうだけどなんか難しそう…。』と思ってしまいがちですが、本当に焦がすだけでした。
といっても奥が深いもので長々と綴ってしまいました(^_^;)
シンプルなものほど、複雑なものよりも奥が深かったりするものです。
お菓子作りは科学ですなぁ。。
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