こんにちは、きらのすけ(@kiranosuke_3_)です。
サクッとしゅわっとなメレンゲクッキーは美味しいです。一口サイズの大きさと、懐かしさのある味わいでついつい食べ過ぎてしまうことも少なくありません(^_^;)
ですがレシピをよーく見てみてください。
そうです、ほぼほぼ砂糖なんです!(^_^;)
ちょっとカロリーが気になるところなので甘さを控えたいと思いがちですが、僕は安易に砂糖を減らす行為は反対です。
ここでは、『メレンゲクッキーが甘過ぎるから甘さをなんとか控えめにしたいなぁ』と思っている人達に、実は砂糖を減らさないほうが結果的に甘さを抑えられるということについて解説します。
この記事を書いている僕はパティシエとして10年以上お菓子作りにたずさわり、数々のお菓子を作ってきました。また100冊以上のレシピ本を読んできたのでお役に立てると思います(^_^)
読み終わって、メレンゲクッキーの甘さを控えたいと思ったら意外にも砂糖を減らしてはいけないのか、とお菓子作りの面白さや科学にワクワクしてもらえると僕も嬉しいです。
「砂糖を減らさずに丁寧に生地を作ることが1番の甘さを控える解決方法!」という事を、僕の経験を元に『王道の砂糖がたっぷり入ったレシピが1番良かった』説を唱えます。
・甘さ控えめのメレンゲクッキーを作りたいなら、『甘さを控えないこと』が最も甘さを控える方法。
メレンゲクッキーは半分以上砂糖でできています。
そりゃどう考えたって甘い確定ですよね(^_^;)
それなら『レシピの砂糖を減らせばいいんじゃないか?』と、普通は考えるのではないかと思います。
まず結論ですが、僕は『甘さを控えないこと』が1番甘さを控える方法だという答えにいたりました。
というのも僕も甘さを控えたいなと思ってレシピの砂糖を半分に減らしてみたり、砂糖を人工甘味料に置き換えて作ってみたりと試行錯誤した時期があったんです。
僕も甘さ控えめのメレンゲクッキーを作りたかったんですよね。
でも砂糖を減らすということは、メレンゲの安定性が悪くなる(泡立てたメレンゲのボリュームが減りやすくなる)ということになります。
メレンゲがしっかりと泡立った生地は何倍にも膨らんでいるため、1個あたりの甘さがどんどん薄まるので安易に砂糖を減らすのはよくないと気付いたからです。
甘さ控えめに仕上げるために砂糖を減らすこともひとつの手段ですが、それよりもしっかりしたメレンゲを作る事の方がよっぽど大事なんじゃないかなと思います。
・現役パティシエの僕が、メレンゲクッキーの甘さを控えない3つの理由。
安易に砂糖を減らさないと言っても、次のようにちゃんとした理論的な理由がありました。
【メレンゲクッキーの甘さを控えない理由3つ】
・泡立てたメレンゲの気泡の安定性が悪くなる。
・メレンゲの安定性が悪くなるからかさが減る。
・かさが減るから砂糖が密になり甘くなる。
これら3つの理由をそれぞれ具体的に解説します。
・現役パティシエの僕が、メレンゲクッキーの甘さを控えない理由。~気泡の安定性~
気泡を多く含むメレンゲで作った生地はとてつもなく軽いです!
そしてしっかりと泡立てたメレンゲに、たくさんの砂糖を加えることによって更に気泡の安定感が増します。
昔ながらの卵白の倍ほど砂糖が入った基本的なレシピは、数字的に見れば砂糖を使いすぎていると思いがちですがしっかりと泡立ったメレンゲの安定感は抜群です。
だから僕も毎回王道レシピで作ってる。
メレンゲクッキーに限らずですが、何事も基本的なレシピがなんだかんだ一番よかったりします。
そんな安定感抜群の生地だと、例えば直径2㎝に絞ったメレンゲクッキー1個分が約1gだとすれば、⅔が砂糖だとしても約0.7g。
もし砂糖を減らした気泡の安定が悪い生地を、同じサイズに絞って1つ分約2gだとすれば砂糖の量は1.4gです。
単純に1個あたりの甘さは2倍にもなってしまいます。
なのでやっぱりしっかりと砂糖を使ったレシピが、結果的に1番甘さを控えることができるんだと思います。
その他にも例をあげると、スポンジケーキなども同じです。
甘さを控えようとメレンゲなどの卵を泡立てる際に使う砂糖を減らすと、せっかく泡立てた気泡がとてもつぶれやすくなっててしまいます。
なので膨らみの悪い目の詰まったスポンジケーキが焼き上がり、結果重たく(甘く)そしてかたくなってしまうんです(^_^;)
甘さ控えめにしたくて試行錯誤した経験があるからこそ、この答えにたどり着きました。
メレンゲクッキーに関しても同じように、昔から受け継がれる基本的なレシピだからこそ「サクッ」と「しゅわっ」とした軽いメレンゲクッキーに仕上げることができるのではないでしょうか。
・現役パティシエの僕が、メレンゲクッキーの甘さを控えない理由。~安定性とボリューム(比重)~
しっかりと砂糖を使って作られたメレンゲ生地は、泡立てる前の卵白の10倍以上にもなりふわっふわでボリュームがあります。
そして砂糖は保水性が高く、その作用によってしっかりと泡立てたメレンゲの気泡を安定させる効果があります。
砂糖を減らしていないメレンゲ生地は気泡が安定して残っているので絞る前のボリュームもあるし、絞って焼くとさらに膨らんで大きくなるので、結果1個あたりの甘さは少なくなります。
・現役パティシエの僕が、メレンゲクッキーの甘さを控えない理由。~比重。膨張率~
甘さを控えさせようと砂糖を減らしてしまうと、せっかく10倍以上に泡立ったメレンゲ生地が潰れてしまいどんどんボリュームが落ちてしまいます。
実際に砂糖をしっかりと使ったものと比べると、同じサイズで絞っても取れる個数も少ないです。
という事は、結果このメレンゲ生地で焼いてしまうと、逆に砂糖の密度が高くなってしまい甘さが強い仕上がりになってしまいます。
比重が重たくなってしまっては本末転倒!
安易に甘さを控えるとダメなんだよね。
昔からの伝統的なレシピが永く続いている理由はここにあると僕は思います。
甘さ控えめに仕上げたいのであれば、
・しっかりとキメの整ったきれいでボリューミーなメレンゲを作る。
・しっかり泡立てたメレンゲをなるべく潰さないように優しくさっくりと混ぜる。
・キャラメリゼされるまでしっかりと焼く。
に力を注いだ方が結果軽くて甘ったるくないメレンゲクッキーを作ることができます。
・甘さをおさえる焼き方。
砂糖をそのまま食べるよりもキャラメルにすることで香ばしい苦味やコクが生まれます。
クレームブリュレなどの上のパリパリした砂糖は美味しいですもんね(^-^)
これはメレンゲクッキーに含まれている砂糖にも同じようなことが言えます。
レシピによっては100度で焼くものもありますが、この焼き方だと乾燥はしますが砂糖が焦げてくれません。
120℃で焼くことによって、しっかりとキャラメリゼされ甘いだけじゃない味に深みのある美味しいメレンゲクッキーに仕上がるんです。
・まとめ
今回は、
【砂糖を減らすのはNG!】パティシエの僕がメレンゲクッキーの甘さを控えない理由。
についてまとめました。
【結論】=『甘さを控えないこと』が1番甘さを控える方法
【メレンゲクッキーの甘さを控えない理由3つ】
・泡立てたメレンゲの気泡の安定性が悪くなる。
・メレンゲの安定性が悪くなるからかさが減る。
・かさが減るから砂糖が密になり甘くなる。
砂糖を減らすのは簡単ですが、砂糖を減らすと逆に密な生地が出来上がるので普通に焼いても甘いだけです。
それなら逆に砂糖の安定性を利用してしっかりとメレンゲを膨らませてあげれば自然と甘さも抑えられるのではないかなと思います。
でもどちらにせよ食べ過ぎは要注意。
サクッと軽いのでつい食べてしまうんですが、それではいくら甘さを控えたものでも本末転倒なのでね(^_^;)
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